欧州文化首都って何?文化こそ守るではなく使うべき【2018年マルタ】

ねこ

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マルタの首都ヴァレッタが『欧州文化首都』に選ばれた!・・・ん?『欧州文化首都』ってなんだ??他にどんな都市があるの?

マルタの首都ヴァレッタが2018年度の『欧州文化首都』に選ばれました!

マルタを愛する人間とすれば、これは嬉しい快挙なんですよ。

でも、ほとんどの人はこう思うはず。

『欧州文化首都って、、、ナニソレ・・・?』

僕も最初そうでした。欧州文化首都ってまた堅苦しいなぁって思ってました。

でも、これも何かの機会。せっかく愛するマルタの首都ヴァレッタが欧州文化首都に選ばれたので、観光(業)が好きな私はみなさんに知ってほしいんですよ。

欧州文化首都が何かを。

そして『欧州文化首都』から見える日本を。

 

▼ 本記事の内容はこちら

■ 欧州文化首都が何かが詳しくわかる。

■ 欧州文化首都の素晴らしさと欠点がわかる。

■ 欧州文化首都で日本の観光資源を考えてみた

僕は観光というか旅行、旅が大好きな人間なんですが、観光”業”も好きなんです。

それが災いして(?)、大学では少し観光業の授業もかじっていたことがあったり、行く先々の観光地を調べたりしていた時期があったんです。

今回は欧州文化首都について、詳しくお話したいと思います!

欧州文化首都とは、まさに『文化交流のテーマ都市』

まずは欧州文化首都の定義を見てみましょう。

EU加盟国(当時EC)の文化閣僚会議で加盟国の中から1都市を選び、「欧州文化首都」として定め、一年間を通して様々な芸術文化に関する行事を開催し、相互理解を深める

ための中心となる都市のこと。

 

簡単に言うと、EUの国々の中で文化交流、芸術交流を行う上で、その都市のテーマとなる都市が『欧州文化首都』ということ。

開催を希望する国は開催10年前から立候補して、様々なコンペティションを経て、5年前までに決定されるのです。

2018年現在、2033年までの立候補国(都市ではない)が決まっています。

 

実はこの欧州文化首都の制度は1985年に生まれたもの。最近新しく出来たものではなく、30年の歴史がありため、欧州の旅行好きの人たちには知られている制度だそう。

では、これまでに欧州文化首都はどんな都市が候補地として選ばれてきたのでしょうか?

 

これまでの欧州文化首都=ほぼ主要観光都市

これまでの欧州文化首都を見ていくと、1990年代後半まで、ほぼほぼ主要観光都市が選ばれてきているのがわかります。

1993年にEU(欧州連合)が発足したことも影響しているのでしょう。

その後、2000年代も正直あまり目立たないような小国の都市が欧州文化首都として選ばれる傾向にありますね。

 

▼ 1985年から2018年までの欧州文化首都一覧

開催年欧州文化首都
1985ギリシャ・アテネ
1986イタリア・フローレンス
1987オランダ・アムステルダム
1988ドイツ・ベルリン
1989フランス・パリ
1990イギリス・グラスゴー
1991アイルランド・ダブリン
1992スペイン・マドリッド
1993 ベルギー・アントワープ
1994ポルトガル・リスボン
1995ルクセンブルグ
1996デンマーク・コペンハーゲン
1997ギリシャ・テサロニキ
1998スウェーデン・ストックホルム
1999ドイツ・ワイマール
2000ベルギー・ブラッセル
フランス・アビニョン
スペイン・サンチャゴ・デ・コンポステラ
2001オランダ・ロッテルダム
ポルトガル・ポルト
2002スペイン・サラマンカ
ベルギー・ブルージュ
2003オーストリア・グラーツ
2004フランス・リール
イタリア・ジェノバ
2005アイルランド・コーク
2006ギリシャ・パトラス
2007ルクセンブルグ・ルクセンブルグ
ルーマニア・シビウ
2008イギリス・リバプール
ノルウェー・スタバンガー
2009オーストリア・リンツ
リトアニア・ヴィリニュス
2010ハンガリー・ペーチ
トルコ・イスタンブール
ドイツ・ルール
2011フィンランド・トゥルク
エストニア・タリン
2012ポルトガル・ギマランエス
スロヴェニア・マリボル
2013フランス・マルセイユ-プロヴァンス
スロヴァキア・コシツェ
2014スウェーデン・ウメオ
ラトビア・リガ
2015ベルギー・モンス
チェコ・プルゼニ
2016スペイン・サンセバスティアン
ポーランド・ヴロツワフ
2017デンマーク・オーフス
キプロス・パフォス
2018オランダ・レーワルデン
マルタ・ヴァレッタ

(参考:EU・ジャパンフェスト日本委員会)

これからの欧州文化首都=聞いたことのない街ばかり

2019年以降の欧州文化首都は、今まで以上に聞いたことのない都市ばかりが選ばれています。

また開催の5年前に欧州文化首都としての開催都市が選ばれるので、2018年には2023年の欧州文化首都が選ばれる予定です。ちなみに開催国はハンガリーとイギリスです。

▼ 2019年から2033年までの欧州文化首都一覧

開催年欧州文化首都
2019イタリア・マテーラ
ブルガリア・プロヴディフ
2020クロアチア・リエカ
アイルランド・ゴールウェイ
2021ルーマニア・ティミショアラ
ギリシャ・エレフシナ
セルビア・ノヴィ サド
2022リトアニア・カウナス
ルクセンブルグ・エッシュ
2023ハンガリー / 英国
2024エストニア / オーストリア
2025スロヴェニア / ドイツ
2026スロヴァキア / フィンランド
2027ラトビア / ポルトガル
2028チェコ / フランス
2029ポーランド / スウェーデン
2030キプロス / ベルギー
2031マルタ / スペイン
2032ブルガリア / デンマーク
2033オランダ / イタリア

(参考:EU・ジャパンフェスト日本委員会)

 

ヴァレッタは欧州文化首都にぴったりだった

僕もマルタに住んでいた時によく行っていたヴァレッタですが、ヴァレッタは欧州文化首都に最適な都市だと言えます。

マルタが欧州文化首都に適している理由は以下の2つ。

1 地中海の真ん中という立地

2 観光地なので国際交流はめちゃくちゃできる

マルタが適しているからヴァレッタも適しているとは限りませんが、マルタそのものが地中海のど真ん中、欧州とアフリカの間にあるので、それはもう様々な人種が集います。
しかも、マルタの主要な外貨獲得手段は観光産業。在住者だけではなく、東京の23区程度の国にものすごい数の観光客が押し寄せます。

なので、人との文化交流を図るのであればマルタは最高の土地だと僕は確信しているんですよね。

欧州文化首都が「文化交流がヨーロッパの統一に一役買う」ための制度ならば、マルタは最適な土地と言っていいでしょう。

 

文化は保存するものではなくて使うもの

僕がこの欧州文化首都を調べても思ったこと。

それは、

文化は保存するものではなくて使うもの

だということ。日本は文化を「保存しよう!保存しよう!」としがちです。一方で、欧州の人々は、欧州文化首都のように、「文化を使おう!使おう!」とします。

文化を使う、具体的には積極的に文化財に観光客を呼ぶということ。

そして観光客に文化財を保存していくための費用を出してもらうんです。

これが圧倒的に日本とは違った考え方なのです。

 

バッキンガム宮殿は入場料で3600円かかる。

例えば、フランスのベルサイユ宮殿。宮殿の中だけを見学できるコースで大人1人1980円程度。オーディオガイドを付けると2300円程度。

イギリスのバッキンガム宮殿はさらに攻めた価格設定をしています。バッキンガム宮殿の大人1人の入場料は3600円程度。子供1人でも2000円以上するんです。

一方、日本はどうでしょう。

日本で文化財が集まると言えば京都ですよね。では京都の文化財への入場料はどれくらいなのか調べてみました。

清水寺 400円

二条城 600円

金閣寺 400円

銀閣寺 500円

京都の有力な観光資源となっている『観光名所』でさえ、この価格設定です。世界的にものすごく安いですよね。価格上、バッキンガム宮殿の1人の観光客をよぶのと、清水寺に9人の観光客をよぶのが同じ価値なんです。

これはなかなかの異常事態だと思いませんか?

 

しかし、この現状も少しずつ変わってきてはいます。

法隆寺は昨年1月、維持費のため「やむを得ない判断」で、22年ぶりに拝観料を値上げし、大人料金を1.5倍の1500円に引き上げるなどした。

文化財入場料値上げ…財務省提案に波紋 寺社など維持費・客足のはざまで困惑

奈良の法隆寺では、2015年に22年ぶりに拝観料を値上げしました。法隆寺の拝観料は元々大人1人1000円。それを1.5倍の1500円まで上げたのです。

拝観料の値上げに際して、

「来場者が減るかもしれない・・・」

「維持費はかさむが、値上げをすると客足が遠のく・・・」

そんなこと声が聞こえてきそう。

 

でも本当にそうですかね?

僕は地元が近かったので奈良にはよく行きましたけど、観光客と修学旅行生の多さにほとほと疲れてしまいます。こうなると少しでもゆっくり奈良を満喫したいからちょっとでも多く払って本当の奈良を味わおうという人は出てくるはず。

 

入場料、拝観料を上げると客足が遠のくというのはちょっと短絡的だと思うんです。その入場料、拝観料だからこそ提供できる価値っていうのも結構大事なんですよね。

 

観光客が求めるもの=日本人が見せたいものではない

そしてもう一つ。

日本人は『文化や歴史を無鉄砲に売り出しすぎ』です。

日本の観光のPRと言えば、富士山やお城、神社などがいつも全面的に出されます。

元ゴールドマン・サックスのアナリストで現在創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を行う小西美術工藝社の社長であるデービットアトキンソンさんはこのようにおっしゃっています。

日本の観光PRは富士山、芸妓(げいこ)、茶道、歌舞伎、お能、城、神社などが発信の大半を占めており、「文化・歴史」に偏重しすぎています。日本のdestination campaignに登場するのもほとんど文化財です。

「文化・歴史」のPRだけでは肩苦しく、観光客の「幅」が狭くなってしまいます。これはある意味で、日本人観光客の目線と言えるかもしれません。といっても、「文化・歴史」を否定しているわけではありません。「文化・歴史」を打ち出す観光戦略だけでは限界があると申し上げているのです。

引用:東洋経済ONLINE 『外国人が心底うらやむ「最強観光資源」とは?』

日本人は外国人観光客に

「日本の文化は素晴らしいんだ!」

「日本の歴史が培ったこの文化を存分に楽しんでくれ!」

といいますが、本当にそれら文化や歴史は外国人観光客が求めているものと合致するのでしょうか?

もちろん日本の文化や歴史が外国人観光客を魅了し、人を集めているというのは事実です。

しかし、外国人観光客は日本の歴史や文化だけを楽しみにきているのではありません。

 

日本の自然、最高じゃないですか?

では、歴史や文化に変わる外国人観光客を魅了できる日本のポテンシャルとは何か。

それこそ、日本の自然だと思っています。

日本の自然最高じゃないですか?

 

外国の自然はまさに『壮大』『絶景』で表されるような迫力がありますよね。一方で、日本の自然は『荘厳』『静粛』といったような厳かな落ち着きがあるように感じます。

つまり日本の自然は外国人を魅了する可能性があり、立派な観光資源となり得る可能性が充分になると思うんです。

 

日本は自然のポテンシャルをもっと押し出していってもいいと思うんです。

先ほどのデービットアトキンソンさんもこうおっしゃっています。

東京都が「都民が外国人観光客に東京で体験してほしいこと」と、「外国人観光客が東京都でやってみたいこと」を調査したところ、最も大きなギャップが出たのが「自然体験」でした。

「文化・歴史」を打ち出している現状にくわえて、さらに「自然」という強みをもっとアピールしていけば、日本の観光はまだ大きく成長することができる

引用:東洋経済ONLINE 『外国人が心底うらやむ「最強観光資源」とは?』

日本の自然の特異性は充分に外国人観光客を魅了することができます。

 

自然を押し出せば日本の観光業が変わる3つの理由

日本の自然を観光資源と捉えて、外国人に伝えることができれば、日本の観光業は変わっていきます。

その理由は以下の3つ。

1 客層の幅が広い

2 長期滞在が期待できる

3 文化・歴史分野とタッグを組める

 

客層の幅が広い

まず自然を観光資源とした集客は客層の幅がものすごく広いです。

 

日本の自然に囲まれてリラックスしたいシニアの外国人観光客

日本の海でスキューバダイビングをしたい若い外国人観光客

日本の森で家族揃って休暇を過ごしたい外国人ファミリー

 

一概に自然を観光資源にすると言えど、その客層は多岐に渡るのです。つまり、様々な客層から観光収入を得られる可能性があるということです。

 

長期滞在を期待できる

自然を観光資源にすると外国人観光客の長期滞在が期待できます。

例えば、僕もよくスキューバダイビングをしますが、1日2日で行うことが多いです。本当はもっとゆっくりしたいのですが、費用のことも考えて帰路につきます。

しかし外国人観光客ならどうでしょう?

ダイビングをしても疲れるし、数日は滞在してゆっくり時間を過ごすか!

となりますよね。もはや体力的に数日過ごさないといけなくなっちゃいます。

 

例えば、森でリラックスしたいシニアの外国人観光客はどうでしょうか?

せっかく日本に来たし、リラックスも1日で充分!

若い人ならそうでしょう。

ただシニア層となると、もっとしっかり日本でゆっくりした時間を過ごしたいと考える人も多いはず。

そうすると滞在時間が延び、日本でお金を使ってくれますよね。

 

文化・歴史分野とタッグを組める

日本の文化と歴史は自然と組み合わさっていることが多いです。

一番代表的なのは富士山ですよね。文化的にも日本人の崇拝の対象でもあり、富士山の周りは自然が非常に豊かです。

例えば東京もそうですよね。観光で東京というとすぐ渋谷とか新宿、要は文化としてのテクノロジーが注目を集めます。一方で少し足を伸ばせば高尾山も非常に自然豊かなところで日本の自然を体験できるスポットです。

こうして、文化・歴史と自然を組み合わせることでまた新しい観光ルートを切り開くことができるはずなんです。

 

欧州文化首都から日本の観光を考えてみた【まとめ】

今回は欧州文化首都から日本の観光を考えてみました。

欧州文化都市を調べてみると、本当に日本の文化財は価値を過小評価しすぎるなと感じます。それだけの価値は必ずあると思うんです。そこに自然がタッグを組めばもっと観光産業は盛り上がるはずなんです。

観光は見せたいものを見る娯楽でいいでしょう。ただし、観光産業は立派な観光資源の価値をお金に換えるビジネスです。

日本人からすると欧州文化都市は魅力的です。一方、欧州の方々にとって日本の文化・歴史、そして自然はもっと魅力的なのかもしれません。

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